マジっすか?という反応をする身体をなだめる

 朝8時。目が覚めた。なんだかんだ寝た気がする。がまだ寝たい。しかし家から全く一歩も出なかった昨日の自分が朝に散歩をすると決めていたので、重い腰をあげてベットから出た。リビングの椅子に座る。行きたくねぇな~どうすっかと考えながら携帯をいじる。遠く離れた友人が今日はとても寒いと連絡していた。「寒いんか」と一人で呟いたときには散歩行こかという気分になっていた。気温が低いと眺望が良いとわかっているので。帰宅してから洗濯やら掃除が残っていては面倒なので、ササッと終わらす。朝食はいつもよりたっぷり食べた。

 9時半。散歩スタート。ザックも持たず、携帯と定期だけを持って裏山を登りに行く。山に登るのも約一ヶ月半ぶりであろうか。冬になると寒いのが億劫で早朝に外出することが非常に難儀。だからこれくらいの期間が空いてしまった。しかし久しぶりに歩いたり走ったりすると身体がびっくりしているのがわかる。マジっすか?という反応をする身体をなだめるように登った。

 景色はいつもと変わらなかった。いつものまま。少しホッとした。今や心はザワザワしている。将来のことや、人生やら、この頃常々考えている自分にとって、変わらないものに触れることでホッとした。どれだけ自分が変わろうとしても周りには変わらないものがある。それに触れるだけで、色々なことを思い出したり、新しいアイデアが浮かんできたりする。うまく言葉に出来ないけれど、常々変化する環境に身を置くと疲れるように、何も変わらないものに囲まれることも大事。さっさと走って下山。

 昼前に帰宅。飯を作る気にもなれず、どこかに食べに行く気になれず。どーしよっかと考えていると喫茶店行きたいなぁと思った。ほな喫茶店で甘いもん食べたいがために昼飯作ろうと適当にパスタ作った。喫茶店はスゴい。あれだけやる気のなかった僕がすぐ昼飯を作ろうとなるくらいスゴい。旨味として創味シャンタンとシーフードミックスを入れた適当トマトパスタを作った。まあまあ美味いやんとか言いつつ食べた。

 喫茶店に向かおうと家を出るとご近所さんに会って立ち話。周りの住民に比べて格段と若い訳か、ほんとに良くしてもらっている。笑い話や真剣な話をして別れた。お目当ての喫茶店は遠く、寒かった。なんてこんな寒い日にでかけているのか、自分でも分からないけれど喫茶店に行きたかった。到着して店内に夕陽が注がれる中、ワッフルセットを食べた。食べながら大阪の行きなれた喫茶店をふと思い出した。ここ最近、というかここ数年、行けていない遠くの場所を思い出すことが多い。思い出してはため息も交じる。ワッフルセットは美味しかった。

 植物でも見ようとホームセンターに行った。かわいい観葉植物があったが、買うのを断念。耐寒性やら、育て方やらをしっかり調べてから買わないと気がすまない。うちの家は特段寒い。日差しも弱いので、よくよく考えないとすぐに枯れてしまう。保留。ぐるぐるとホームセンターを歩いていると「君に、胸キュン。」がCDコーナーから流れていた。思わず口ずさむ。

 さて帰ろう。もう夕方だし。するとイヤホンから「君に、胸キュン。」が偶然流れた。笑った。今日にピッタリの曲が偶然流れると嬉しい。少し晴れやかな気分で帰路についた。