床になろうとしている。

 寒いと外に出るのが億劫である。起きたときには外に出るぞ!という気持ちでいっぱいなのであるが、日が落ちていく頃にはもういいやとなっている。ホットカーペットに寝転び、本を読んだらスマホをいじり。なんか食べて、またホットカーペットに。少しゲームして本を読んだらスマホをいじり。なんてしていると夕方になっている。朝の決意はどこにいったのやら。別人になった自分にうんざりしてしまう。

 一つのことに打ち込まず、小さいことを複数回繰り返している。興味がいろいろなところに向くというか。本を集中して読めても30分。もやもやっと何か他のことしようと考えていると本の内容が頭に入らない。まとまらない頭に時々自分でも驚く。バックグラウンドでぐるぐると考えているような。それを俯瞰的に見ている自分もいる。何人自分がいるんだろうかと驚く。おそらく1人の人間のなかに何人も人間がいるんだろう。1人の身体の中に1人の人間と誰が決めたんだろうか。

 家から出ないと怠惰な気がして仕方がない。こういうときに嫌な感情を抱いたり、現状を考えたりすると、さらに落ち込んでしまう。寒いだけではない。太陽光を浴びていないから。太陽ってやつは粋なやつである。夏の日差しは暑くて嫌いだが、冬の日差しは暖かさを運んでくれる。現れるときも姿を消すときもドラマティックな風景を楽しませてくれる。なんてやつだと思う。もし太陽がない生活ならとっくに人間は絶滅してる気がする。重要な存在なんだろう。なんて馬鹿な話ばかり浮かんでしまう。

 今だってホットカーペットに寝転び、もうそろそろ床になるんじゃないかと思うくらい仰向けでPCに向かっている。ピクミンもびっくりするほど歩いていない。いいじゃないか、昨日2万歩くらい歩いたんだからと肯定する。昨日やったから今日はええやろというのは危険な思想。継続は力なり。いやいやうるせぇ。床にならせてくれという気分を尊重したいの。今日くらい床になりたいんだ。今年ももう終わり。今年は環境を変えると決意した1月からもうすぐ1年経った今、僕は床になろうとしている。明日は買い物行こ。