はざま

 気持ちいい秋風が吹くようになった。季節の変わり目、身体や心は置いてきぼりに季節は進む。年を重ねて重ねていくほど、季節の去り際はなんとなく寂しい。来年も無事に迎え入れることができるのかなんて考えてしまう。なにを言うてるんや、言われるかもしれないけど、それくらい死が近づいているという実感がある。このままぽやっと過ごしているとすぐぽっくり逝きそうな気もする。

 秋だからか、身辺の修理や補修を行うことが多い。落として壊れたカメラ、去年古着で買ったR2ジャケット、バブアーなどなど。新しいものを買うのではなく、使えるだけ使いたい。愛着を持ったもので身の回りを固めたい。一つ一つに拘りを持つことは、ほんとはしんどいから辞めたいけれど、辞めれない。いい加減な格好で、いい加減なまま、街に飛び出したいなんて思うけれど、おそらく家を出て5秒後には後悔している。というのも重たい気分のまま、数日過ごしている。様々なことが脳内で行っては来て行っては来て、色々な感情をお土産に置いていく。頭がパンクしそうになる。ここ数年で、ホントにどん底だなと感じる瞬間が何度もあり、今までの生活はどこに行ってしまったのかと何回も考える。人、周りにいる人、みな何かしらの苦しさや、やるせなさを抱えながら生きているのだろうか。すれ違う人、会って喋る人、友人。人は日々ハッピーに生きているんだろうと昔は勝手に思っていたが、大間違いだと気付いた。大人になるということが、もし何かしらの生きづらさを抱えながら生きることならば、すぐ投げ出してやりたい。なんのために仕事をしているのかと聞かれれば生活のためと答えてしまう。おそらく自分のためにと答えれるのが理想であるが、今は本当に、ただ今を保つために仕事をしている。これでいいのかと聞かれれば全くもってNOなのだが。ここから先どうすればいいのかわからないなあという気持ち。少し行動に移しても跳ね返され、お先真っ暗、さてどうしましょうかとやや数年。いやはやそうなると人生とは、難しい。いつになれば答えが出るのでしょうか、死ぬときでしょうか。

 修理に出したものが手元にないときに、非常に悔しい。普段なら何も感じないのに。無くなったときや失ったときに毎回後悔する。そんなことも忘れて、また無くしてはいけないものを無くし、失ってはいけないものを失っていくのだろうか。