真っ青真っ青
「今日はお肉買わなあかんから新長田行かなあかんな。月曜日やし、垂水行って野菜も買いに行こかな。」
一人暮らしを始めて半年。しっかり神戸で暮らすことが馴染んできた。今までスルーしていた駅や場所を生活することを通して改めて見返すことができるようになった。「あそこのあれがええねん。そういやそこも安いな。」一人で会話。八百屋を前にすれば「安いけど小さいし新鮮じゃないな。」一人で考える。
地位も金もない仕事をやっている代わりに、僕は生涯のうちで神戸で生活できたことは一生の自慢だと思っている。自分の住みたい場所に住むということがどれだけ幸せなのかということもわかった。しかし、そのことが一番重要かということは頭を抱えてしまう。少し我慢してキャリアのために。少し我慢してお金のために。こういうふうに妥協と追求を繰り返すのが人生なのかもしれない。
そんなことを思わせてくれたのが月曜の釣船から見た景色だった。
今日は朝からタチウオを釣りに乗船。値段が高くてちょっと嫌だなあ。でも断れないしなあとか思った。しかしじっくりといつも見ている反対側から眺める景色は新鮮であった。海側から神戸を初めて見ることができた陳舜臣の気持ちがわかった。気付けば周りは青青青。青に囲まれた。 pic.twitter.com/MTj2osJckQ
— ラージ・ボリ (@Raaj_bori) 2020年11月9日
スキー場のように一面真っ白ではなく真っ青だった。そのなかでぐぐっと前にせせり出す山々。その間でしがみつくように佇ずむ街々。神戸だ!たくさんの店や街を巡った行ったではなく、どう過ごしたかを大事にしたい。あと数年。あとちょっとだけの地元を味わい尽くしたい。