親切で正直なインド人!?

 

  先日インド好きなら誰でも知っているカメラマンの三井昌志さんがこのようなツイートを投稿した。

 

 

 もちろん僕もリツイートしてエピソードを送った。

 

確かに巷にあふれるインド旅行の評判はすこぶる悪い。というか悪い話が独り歩きしているような気がする。

 

「お金を盗まれた。」「詐欺師と口喧嘩をした。」「リクシャワーラーにぼったくられた。」

 

これらの情報に対して全てが間違っている!とは言えない。確かに上記のような人間もいる。僕自身も何度も騙され、ぼったくられている。特に観光地ではそのような経験を受ける可能性が高い。しかし、良い人ももちろんいる。というか当たり前だ。国民全体が悪い人間のはずがない。しかしブログやエッセイで注目されるトピックとすれば上記のような旅人からしたら不幸話である。猿岩石がユーラシア大陸を旅していた時だって、彼らが苦しんでいる様子が番組内での大きな注目点だったのと同じように。誇張が含まれている可能性だってある。しかし、それらの真否がわかるのはブログを書いた当の本人だけである。だから読者にとってはそれが事実として受け入れる以外ないのである。

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三井さんのツイートを見て思い出したのはある本の一節であった。有名な妹尾河童の『河童が覗いたインド』である。

 

 日本人で何度もインドへ行っていて、そうとうインドに詳しそうな話をしている人が、「インドではね…」という話をするのを聞くことがあります。なるほどと教えられることも多いですが、聞き方として、「それはインドの全部ではないかも…」と思った方が正解に近いようでした。インドは、そんなに一般的な国ではないからです。(妹尾,p.280)

 

 

 

旅行先に出向き、そこで感じたこと、経験したことがその人にとっての旅行先のイメージを作り上げることになる。しかし、忘れてはいけないのが自分が見ているのはその国の一部であるということ。たった数ヶ月で異国のことを理解するなんて不可能である。特にインドに関しては行けば行くほどわからなくなってくる。なぜなら私達の想像を超える多様性が待ち構えているからである。

 

食事も違う、宗教も違う、民族も違う、言葉も違う、習慣も違う。

 

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だから僕の場合、いつも「インドはどのような国ですか」と聞かれたときに「わからないです。」と答えている。

 

もちろん、身構えないでインドに行けとは言えない。日本とは大きく異なる場所である。しかし「正直で親切な人たちもいる」という事実だけは知っておいてほしい。三井さんのツイートから一人でも多くの人達に知ってもらいたいと願うばかりである。

 

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