ほんとに美味しい。ここのカレー。

新しいバイトを初めて2日目。インド人に囲まれながら多忙な時間を過ごすのは久しぶりである、日本のシステムに順応している彼らの勤勉さには驚かされる。忙しいながらもユニークで、時々冗談も飛ばしてくれる最高な彼らと仕事をできるのは良いなと思う半面、色々なことをギリギリのラインで仕事をしていく彼らを見て一緒に仕事をするのは難しいなと思ったり。

 

そんな2日目のバイトの休憩中、有る一人の男性が夕方に来店した。僕は広い店内の片隅座り、本を読んでいた。彼の服装からするに近くの飲食店で働くスタッフであろう。顔からは何時間も立ち続けた疲労感がにじみ出ていた。

 

『カレーライス一つ。』

 

席につくなり彼はインド人のホール担当に伝えた。

 

20分くらいだっただろうか。彼はそれくらいの時間でササッとカレーライスを胃に流し込み、お金を払おうとしていた。そのとき男性はインド人のスタッフに向かって

 

 

『ほんとに美味しい。ここのカレーいつも美味しい。』

 

 

おそらく、彼の言葉はインド人スタッフは理解していないだろう。彼はいつも僕にヒンディー語で話しかけてくるくらいだし、日本語で電話できないレベルである。しかし、その言葉を男性は彼に言ったのだった。男性はまるで自分に言い聞かせてるように。

 

僕はその言葉に非常に魅了された。疲れ切ったり、嫌なことがあったりとついていない一日でも食べ物が救ってくれるのかもしれない。カレーライスがその男性の夕方以降の活力となったかもしれない。そう思うと毎回毎回の食事という物を大事にしていきたいという気持ちが大きくなった。

 

そういえば、この言葉を聞く前からカメラを持ち歩いている日は毎回の食事を撮影していた。


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今流行りのいわゆる映えの食事とは程遠いものばっかりだ。しかし、一つ一つにストーリがある。時間がないので急いで作った鯵のなめろう、友人と夕方に小腹が空いて食べたマクドのポテト、数年ぶりに再会した友人と食べたお好み焼き。すべてにストーリーがある。

 

一回きりの珍しい食事よりも普段食べている食事の方を大事にしていきたいね。