Do you miss India?

  あ、ラインだ。誰だ?見覚えのある名前。よくよく思い出した。そうだ。デリーで仲良くしていたタイ人僧侶だ!

 デリーに住んでいた時、大学の寮にいた。そこは国際学生寮でほんとにたくさんの国の人が住んでいた。またインド人からも人気がある寮でもあった。寮の飯が1番美味しい寮という理由で。そのため半分は外国人、その残りはインド人という構成だった。正直、多くのインド人たちと余り仲良くなれなかった。ヒンディーを学びに行っている中で失格と言われても仕方がない。もちろんめちゃくちゃ仲良くなれたやつもいた。しかし多くの彼らはインド人どうしで結束しており、僕が入る余地はあまりなかった。その一方で僕は特にアジア系の人たちと仲良くなった。チベット人、タイ人、ベトナム人などなど。チベット人を除く東南アジアから来た人たちは仏教を学びに来ている僧侶達だった。僧侶と言っても若者から年上まで年齢は様々。何か高尚なイメージを持たれるかもしれないが、そんなことは全くない。インドの愚痴を言い合ったり、ご飯を食べさせてもらったりと一般的なごくごく普通の人付き合い。そんなうちの一人にMr.Sはいた。彼とどう仲良くなったのかは全く見に覚えない。しかし、いつの間にか仲良くなっていた。Mr.Sはタイ出身の大体40歳くらい。彼が色んな国で仏教を学んできたこと。その中でもインドが最悪なこと。早くインドから出たいとずっと言っていたこと。昼間のカフェで二人でお茶をしばき、タイで昼間にお菓子なんて食べたら駄目だけどインドだからセーフと言っていたこと。僧侶の服は目立つから盗人に狙われやすいこと。毎回、これ持ってけあれ持ってけと僕に色々くれたこと。よく覚えている。そんな彼から連絡が来た。"Do you miss India?"長い間連絡をとっていない人から連絡が来て、その内容が僕の悩みであったり考えであったりすることが不思議なことに時々ある。それが今日だった。そうだよと彼に連絡すると僕もそうだけど、帰りたくはないなと返事が来た。彼が本当に辛そうにインドから離れたいと言っていた表情をふと思い出す。何も変わってないな〜と笑えてきた。すると"For you"と言葉とともにインド料理の写真が。分かってるじゃん、Mr.S!タイに行ったら彼の寺に泊まろう。そして前みたいに話そうよ。そう約束してバイバイした。
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