靴トントン

 朝、電車に乗る。傘を忘れた!と気付いた時にはもう遅い。少し憂鬱に。祝日だからか電車は空いている。今の仕事は祝日などない。皆が休みの間は休みたい。そんな気分で電車に揺られる。目の前のおばちゃんが靴を脱いで、中の砂をトントンと出した。靴の中の砂を取り出すことなんて久しくしてない。思い起こせば小学生のときなんて何度も何度も靴の中に砂が入り込み、トントントントンとやっていた。今は靴は靴でもトントンしても良い靴と、トントンしたくないやつに分けている。いつの間にか僕は靴に優劣をつけているのかもしれない。あの頃は靴は「足が速くなる機能」に重視したものに惹かれていたけれど、今はデザインと機能性。これが大人になったってことなのかな。久しぶりにトントンしよう。

 傘忘れた〜傘忘れた〜と嘆いていたら仲良しのパートの人に最寄りまで送ってもらった。年は離れているが親しみの湧く人。いつも笑顔絶やさず、話しかけてくれる。僕なんかに気を配ってくれているのが嬉しい。「なんか疲れとるけど大丈夫か〜」と言われる。おそらく低気圧のせいでしょうと答えた。顔に疲れが出ているらしい。良くない。ポーカーフェイス(ニコニコVersion)で職場では過ごそうとしているので気を付けなければ。なんでも楽しくしようとすればできるはず。心から楽しいなあと思っていればなんとか楽しく過ごせるはず。あとのことはあとで、しっかり考えて。

 仕事の休憩時間に買った5つ150円くらいの大福を持って帰って一つずつ大事に食べる。社会人になったからといって外食外食なんて薄給の僕にはできない。お金で幸せを買うために節約してる。何か本末転倒な気がするがこれで満足しているからこれでよし。