飴玉を食べなきゃ!

 会社の先輩が異動となった。異動のためお客さんに挨拶周り。僕も同行と言う形でついていく。たくさんの人に挨拶をする中、1人のおばさんが「悲しいね。出会いは別れがつきものやからね。」と言った。ハッとした。確かに。出会いは別れが付きものである。人の出会いだけでなく全てのものに。なんでこんなことが分からないのであろうか。思い返してみれば高校時代にとても仲良かった友人とは今では疎遠に。あのときに熱中していたハンドボールとも疎遠に。いつか疎遠になるのが普通なのか。高校からずっと仲良くしている友人だっている。しかしそれは「いつかの別れ」に向かっていっている。数年後、もしくは明日かもしれない。そう考えるとゾクッとする。自ら別れを切り出すこともあれば、一方的に切れることもある。それがいつなのかは分からない。別れは避けられないものであって、怖がってはいけない。でも怖い。巷でよく言われるのが会いたいときに会っておけ、やりたいときにやっておけ。別れのための準備なんてない。別れは突然やってくる。
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 別れを切りたい!現状の生活と!誰かが言っていた。ここ数年でおもろない日々を過ごしていると。興味のないことをやり、1日の大半を過ごす。自分の住みたい場所に住むために決めた職だから文句は言えないが、それにしても面白くない。駅のホームで飴玉を食べるおじさん。真っ青の飴玉。ソーダ味だろうか。おじさんは口に放りこもうとするが飴は口元からこぼれそうになった。おじさんは必死に飴玉を口元に入れようとする。僕の心情と重なる風景だった。このままではいけない。飴玉をこぼしてしまう。どうにかして食べないと。