湖水浴夏

 また青春18きっぷを買ってしまった。九州でも北海道でも、関西でも、使いに使った切符をまた懲りずに買ってしまった。安いから仕方ないなんて理由で、いつまでも買い続けるような気がする。

 今回は琵琶湖のある滋賀に向かった。友人に誘われ、湖水浴に。湖水浴??はっきりとしない言葉。よくよく調べれば、湖で泳ぐことを湖水浴というらしい。滋賀県民の友人に聞けば、滋賀県民は当たり前のように使う言葉らしい。知らない言葉が未だに身近にあることが楽しい。

 京都に付いて湖西線に乗り換える。古い車両が待ち受けていた。117系という車両。いつまで経っても電車に乗って、しかもその車両が古かったりすると気分が上向きになる。おそらく乗り鉄なんだろうと自分では思っているが、そのとおりな気がする。京都から約30分で近江舞子に到着。

 まず海水浴すら数十年もしていない状態での湖水浴だから、なにが正解なのかがすっかりまったく分からない。周りを見渡せば、ボッーっとテントで寝ている人、ひたすらBBQをしている人、浮いている人などなど。そうか、人それぞれ楽しみがあるのが湖水浴の楽しみなのかもしれない。浮き輪も何も持っていなかったが、湖に飛び込んだ。

 平泳ぎしたりクロールしたり。波が船やジェットスキーによって大きく変わり、泳ぐのも疲れる。浮き輪もないので、仕方なくぷかぷか浮いた。それが案外非常に楽しかった。こうやって泳げるのも小学校のときに、顔に水をつけることも出来ない、プールに連れていけばタコに足を掴まれる!?と喚くなど僕の言動を見た母親が、GBAのソフトを購入するのと引き換えに水泳教室に通わせたからだ。毎週毎週泳いでコテンパンに疲れていたが、いい経験だったな、湖に浮かびながら感じた。とにかく僕は湖に浮くのが楽しかった。なにもせずただただ漂う。晴天の中、何もせずに漂う自分を客観的に見たかった。

 夕方になれば雲は高い所だけがオレンジ色に染まる。夏だな。いろいろな夏の要素が街中に落ちているけど、夕方の風景を見ると夏だなと実感した。こうやって久方ぶりに大きな水の中で、泳ぐということは気持ちいいことを発見した休日だった。