ルマンドとチョコリエール

 買い出しのついでにお菓子でも買って行こうと言う気持ちになった。一人暮らしを始めてからお菓子を食べる頻度が激減。実家というのは山ほどの食料、お菓子もあり食べても食べ切れなかった。しかし一人暮らしの状況下でお菓子を買うことは贅沢の一つのように感じてあまり手を出すことはなくなっていた。まあ今日くらいいいだろうという気持ちになったのでお菓子屋さんに寄った。

 久しぶりに目の前いっぱいのお菓子にどれを選ぶかで悩んでしまった。アスパラガスビスケット、トッポ、せんべい、パイの実コアラのマーチ。。。そのなかでもまずルマンドを手に取った。そこからが長かった。なかなか2番選手が見つからない。

 そんなときにお母さんに連れられた2、3才くらいの1人の子供がやってきた。彼は一目散に子供用籠を手に取り、熱心に駄菓子コーナーを見つめている。お母さんは3つだけよと釘を指す。彼はそれを聞いているのかわからないが真剣に見つめている。僕と同じだ。時間をかけて選ぶだろうと思ってた矢先、彼は僕よりも早くお菓子を手に取った。

 子供のとき、お菓子コーナーに行くことはとても楽しみだった。僕はお菓子よりも玩具菓子系が好きだったのでポケモンの指人形ばっかり選んでいた。あの頃もずっと悩んでいた。1度手に取りはやめ、手に取りはやめ。昔から変わらない決断力のなさ。小さい子供に負けてしまう決断力。f:id:rajibori:20200413161559j:image

 僕は彼がお母さんと手をつなぎ店を出ていくのを見送ったあと、ルマンドの横にあったチョコリエールを手に取った。