死ぬまで焼きそばドリームカップ

 焼きそばはドリームだ。僕が言っているのはソース焼きそばだけではない。焼きそばの大いなる可能性。塩焼きそば、そばやき、オムそば。なんにでもなる。嫉妬してしまう。振り返ってみると週に四合しか白米を食べない。そこまで米に対する執着心がない。どちらかといえば小麦のほうが好きだ。パンも好きだし、麺も好き。だからか麺類の比率が多くなる。一人暮らしを始めてから最低でも週に一回は焼きそばは作って食べている。作れば作るほど、魅力に気づく。

 焼きそばの代表格はソース焼きそば。しかしソースと言っても色々ある。焼きそば専用のソース、ばらソースのような万能タイプ、まるちゃんみたいな粉タイプ。一つ一つ味が違う。飽きが来ない。今日はこのソースで、明日はあれでみたいな感じで。そこに追加トッピング。かつお節を入れたり、天かすをいれたりするとまた味が変わる。食べながら少し、味に飽きたならマヨネーズに七味唐辛子を入れたらこれも絶品。とまらない。

 まず麺が大事だ。スーパーで売っている一袋20円くらいの麺ではない。100円くらいの麺を選ぶべき。某業務スーパーで格安麺を買っていた時期もあった。しかしなにかしらのきっかけで他のスーパーで少しお高めの麺を買って焼きそばを食ったときは驚いた。全然違う。たった数十円の違いで幸せになれるのであれば、僕は課金する。それからというものドンッと平積みされている麺ではなく、陳列棚の中段くらいにある高めの麺を買うようになった。麺はだいたい200グラムで炒める。100グラムでは足りない。300グラムにすると僕が持っている鍋ではかき回すたびに野菜がはみ出てしまう。200グラムが正解なのだ。大体お弁当用に少し分ける必要があるから、少し多めでも構わない。具材だって自由だ。シーフードを入れてもいいし、豚肉でも良い。ソーセージでもいい。野菜だってなんだっていい。懐が広いんだ焼きそばっていうのは。

 今一番お気に入りのそばはと問われたならば、上海風焼きそばだと堂々と答えたい。幼少期、家族で中華料理屋に行けば毎回食べていた。あの頃から好きだったが、家では出た思い出がない。母親はあまり日本料理以外を作らない人だったからか、家で食べた記憶はさっぱりだ。それから数年経って一人暮らしを始め、レシピを調べてみれば案外簡単でびっくりした。すると何回も作るようになった。ありゃうまい。オイスターソースとニラと豚肉を炒めたねっとりした麺がたまらない。友人らに振る舞ったときも非常に好評だった。とりあえずオイスターソースをケチらない。すると中華料理屋にも負けない味になる。

 繰り返すが焼きそばはドリームだ。死ぬまで焼きそばドリームカップに参加したい。