山と谷

 秋。朝と夕方が涼しい。ツンとキレるような風の香り。フルーツを切ったような、あまーいパンを割ったような匂い。秋。夏は知らぬ間にどっかに行ってしまった。

 何をしてもブルーな気分。ここ数ヶ月の運のなさや、どうこう考えても楽しくない仕事。好転することのない人生に頭を抱えている。もうこういうときこそ神頼みやなと感じて厄除けをしにいった。


f:id:rajibori:20200909235411j:image

多井畑厄除八幡宮。日本で最古の厄除けの神社らしく、へーへーと思いながら参拝。台風が過ぎたあとで急な風が吹き荒れるが晴れている。その中で自然とともにある神社は荘厳で、かっこいいと率直に思った。おそらく幼い頃、親に連れて来られているはずなんだんだが、覚えていない。どうにもならないことやしんどいことを全て神に任せる。そうすれば気持ちが少しでも晴れるような気がする。少なくとも自分のせいではないと感じることができる。宗教はこういう為にあるはず。あなたの宗教は?と聞かれて、少し戸惑ってしまうが、興味関心はある。そういうペーペーでも困ったら神頼み。

 その後、三宮に行った。
f:id:rajibori:20200910000044j:image


f:id:rajibori:20200910000050j:image

何でもない、いつでも見てる場所でも細かいとこを見ると面白い。海抜を示すマークだって、神戸市のマークとイカリのマークがかわいい。現在工事が進んでいる元町高架下の樹木は高架に負けじとぐっと伸びている。少しでも日光を得るために。三宮に行った理由は本屋に行くことと、マトンキーマプラウを食うことと、かっけえ服を買うことだった。目星の服は無かったけれど、本も買えたしプラウも美味かったし満足というところで電話。先日の事故で被害を受けた相手からだった。どうして駐車場に入って事故ったのかを聞かれる。そんなことが分かったなら僕も事故してませんと言いそうになったが堪える。その後も淡々と示談交渉。見積もりは木曜日に出るらしい。こんなことを言ってしまうのはあかんねんけれどおもんない仕事でコツコツ貯めたお金を、見知らぬ人に手渡すのが惜しい。そういう状況を生み出した自分も憎い。山と谷なら、今は谷のような気分だ。