500gのお兄ちゃん!

 梅酒を漬けたいなあ。ふとそう思った。いやいやお金も余裕ないしやめとこうかなとも思ったけれど、ここでやらなかったら後悔するなと思ったので即実行に移した。梅酒の瓶は祖母から頂いた。うちの家はらっきょ、梅などをつける習慣があったので道具は揃っている。祖母に頭を下げ余っている瓶を頂いた。さて次は梅である。スーパーで売っているのを買ってもいいが味気ないなと思った。また知識がない。梅のピークは早く、今どの梅が一番いいのかわからない。そういう時こそ商店街だ。商店街に足を運ぶ。さすが梅の時期であってたくさんの梅が店頭に並んでいた。すいません梅つけたいんですけどと一言。梅梅酒ですか梅シロップですかと聞かれたので、梅酒でと大きな声で答えた。そしたらね、青梅か南高梅と店のおばちゃん。なるほど、スッキリと舌味わいなら青梅。まろやかフルーティなら南高梅らしい。お酒は苦手な部類で梅酒もフルーティなものを好んで飲むので南高梅にした。しかも南高梅はアク取りをしなくていいらしい。なんて簡単な!と思ってしまった。南高梅の中梅Lサイズの500gで!とおばちゃんに伝える。ちょっと待っといてな、包むわとおばちゃん。数分後、500gのお兄ちゃん!と呼ばれたので梅を受け取る。急いで家に帰る。
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 紙袋に入った梅。揺れるたびに周りに甘く柔らかい匂いを放つ。かわいい香水や。今まで梅がこんなにいい匂いと知らなかった。世の中知らないことだらけだ。梅をしっかりと洗い、水気をとり、ヘタをとる。俗に言う梅仕事。梅仕事をやっている!やってるんだ!と気持ちが高ぶってくる。


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しかしたった500gの梅仕事はものの数分で終了した。もうちょっとしたかったのに。梅、砂糖の順番で瓶に詰め込む。砂糖の量もお好みらしく、砂糖多めの甘めにした。そしてホワイトリカーを注ぐ。砂糖が溶けてふわんふわんと模様がホワイトリカーに浮かぶ。きれい。ずっと見てられる。飲めるようになるのは早くて3ヶ月後。
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それまでキラキラの宝箱のように奥底にしまっておくことにする。